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たしかな歩みを。

よだかの星みたいに

 しょせん人間などというものはせいぜい100年くらいしか生きないちっぽけな存在だし、その生きている間にすることだってたいしたことはできない生き物なんだけど…でも人間である以上は、やっちゃいけないことってあると思うんだよね。人間が人間に、もそうだし、人間がそのほかの生き物に対してだって、同じだと思ってる。同じだと思うことが…私はそう思うのだけど、他の人はそうではないのかな。

 仲間外れにすること、いるけどいないような扱いをすること、さらには、自分たちの都合を優先させるために嘘をこしらえてまで収めること。どれも私にとっては許しがたい、あってはならないこと。それがもちろん自分が対象になっているのでなくても、同じこと。…これも、他の人はたいがい、自分が対象の場合は許せないけど、そうでない場合は許容したり、あるいは加担したりする。

 こういうことを書いたり言ったりすると、子どもみたいだと評されることがある。おとなの世界ではよくあることなんだから、などと。

 そこがまた、心の底から気に入らん! こんな汚いことを平気になるのがおとなだというなら、私は一生青二才のままでいい。まるで思春期・反抗期を引きずっているように見えたって構わない。本当の意味で達観し成熟したおとなというのは、そんなご都合主義に対して反対の意を表し、たしなめることができる人ではないのか。

 私がこんなにこの手の内容について反応するのは、他でもない、私自身が存在そのものを否定されてきたからだ。生まれる予定でなくて生まれ、あんたさえいなければ離婚できるのにと言われ、何をしてもダメ出しされ、ごくたまに人より秀でたものがあっても「やればできるじゃない」と言われ (これ失敗してたらなんて言われたかわからない、ちゃんとできなければいる価値がないのだと恐怖に怯え)、「私がここにいてごめんなさい」と常に思いながら子ども時代を過ごしてきたからこその、この感情なのだ。これは同じような経験を持つ人にしかわかるまい。

 自分が忙しいから、他にやることいっぱいあるからとこんなご都合主義を振りかざして、それで社会教育だ地域づくりだとは何事か。

 私は、そういう人たち・状況を許せない。自分ではない者、ことに弱い者がそんな目に遭っているのを見ると、もういたたまれなくなる。

 間違って踏みつぶしそうになったクモに本気で謝ったり、車を運転しながらフロントガラスの前を飛び去るムクドリと目が合ったり、多分私が人と感覚がずれているのはたしかにそうなのだろう。ただ、私はすべての命を平等に思うだけなのだ。だからこそ日々の食事でいただく命も、多分人よりは真摯に受け止めていると思う。
 宮沢賢治の「よだかの星」みたいに。誰も傷つけたくないという、よだかみたいに。
 

by k_sakuya07 | 2020-07-30 18:56 | 生き方 | Trackback | Comments(0)
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