書の時間
久しぶりに墨の匂いをかいだ。というより、久しぶりに筆を持った。
地域の合同慰霊祭の式次第を書くのを頼まれて、私なんかの字で大変恐縮ではあるのだけれど、心を込めて書かせていただいた。 書。 やっぱりいいね。 紙に筆を滑らせる。真っ白な紙に、黒い線が形をつくっていく。筆にかける弾力と、筆から伝わる紙の感触。心を落ち着けないと書けないけれど、落ち着いていく心の静かな動きを客観的にも感じていく。 書きながら、書道部時代に就いていた師匠の言葉が頭の中に響いてくる。 「字の中心を筆が通ってない」「懐の大きな字を書け」「書は体を表す」 どれも、今の私にもまだまだ耳の痛い言葉だ。私が嵯峨天皇の書を臨書したいと言った時「お前には10年早い」と言われたけれど、10年どころか30年以上たった今も、書ける自信はない。 この式次第の字を見たら、あの世から出てきていっぱい真っ赤に添削されるんだろうな…と、懐かしいようなこわいような気持ちになる(^^;) 高校の時から使っていた筆巻が、今日壊れてしまった。さすがに年数的に限界を超えていたと思う。筆も硯も、ものすごく久しぶりに綺麗に洗った。 社会人になってから就いた師匠からいただいたその硯は、今では形見になってしまった。師匠の名から一文字もらってつけていただいた雅号も、今は使わない身になってしまったけれど…。 芸術ではないけれど、この筆を持つということが何か少しでも地域のために役に立つのなら、2人の厳しい先生たちも許してくれるかな…。 明後日の慰霊祭用の式次第をやっと今日仕上げて、ちょっとだけホッとした気分。 …さあ! 4月も忙しいぞ。 心に少しだけ潤いをもたせてくれた書の時間に…ありがとう。
by k_sakuya07
| 2019-04-05 20:46
| 生き方
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Comments(2)
“字が汚ない”と言い訳をして、きちんと字を書いたことがないですし、最近はパソコンで大概の事が済むもので、ますます字を書くことが無くなりました・・・
でも、汚ないなりにも丁寧に字を書いてみると、なんだか気持ちよかったりして・・・恥ずかしい(笑) 心を鎮めて自分と向き合って書をしたためるって、素敵な時間なんでしょうね!
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k_sakuya07 at 2019-04-07 14:26
ほんと、パソコンで大概のことが済んでしまいます…
おかげで、漢字もときどき思い出せなくなって(^^;) 式次第なんかもパソコンで打てば、前年度と変更があっても修正など簡単なのですが、この大きさの紙にこんな感じで仕上げたいというようなイメージ通りにアウトプットできるのもまた人間の手の便利なところですよね。 ただ、きれいに書けてたのに一文字間違った時は「あ〜ここだけdeleteキー押したい」なんて思ってしまいますが(笑)
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